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カナダへの高校留学に意義や価値はあるのか?

カナダへの高校留学を考えている方々は、本当にそれに意義や価値があるのかどうかを再度深慮することをお薦めします。

カナダへの高校留学は一大ビジネスとなっており、カナダ 高校留学と検索すると留学エージェントの美辞麗句が並びます。しかし、本当に見るべきは、高校留学の先に何を目的としているのか、その目的を達成するために今何をするべきか、を具体的に考えているのかどうかです。残念ながら、近視眼的な情報が多くそれらに流されてしまう方々が多いのも事実と思います。

私が設定しているその先の目的は「生涯年収の最大化を目指したキャリアデザイン」を効率的・効果的に達成することです。高校留学の時点でそこまで考えるのは早いでしょうか?いいえ、キャリアの構築は高校から既に始まっています。

もちろん、将来のお金のことだけではない、個性や多様性を尊重する質の高い教育を受けさせたいなどの目的などがあることは理解はできるのですが、10年後にはそれが自己満足だったと認識する可能性が高いと思います。

そして、その目的を考えた時に、カナダへの高校留学に意義や効果のある方は大分限られてきます。その理由は以下の通りです。

基礎教育が身に付かない可能性がある

小中高の教育は人生の基礎です。もし小中と日本語で勉強して来たのであれば、高校も日本語でしっかり基礎教育を理解することの方が効果的です。高校で優秀な成績を日本語でもとる自信が無いのであれば、わざわざ別の言語で苦労する必要はありません。

カナダのブリティッシュ コロンビア British Columbia 州 (以下 BC州) では、英語が関連する科目、例えば国語や社会などは留学生向けの別クラスがいくつかあり、最終的には現地生と同じクラスに上がって、そこである程度の成績を獲得しないと卒業ができません。さらに、成績の元となることが多いレポート・ライティングには論理的な思考トレーニングも必要となるため、カナダに来たはいいが、卒業の見込みが立たずに帰国するという時間の無駄になる可能性すらもあります。

もちろん、カナダの教育には日本には無い良い部分があることは認めますが、G7の公立学校の教育レベルを比較した時にカナダがそれほど突出しているとは思えません。

基礎教育が身に付かないということは、次の大学進学にも影響しその先にある就労先の選択幅にも影響します。そうなると、目的としている生涯年収の最大化を目指したキャリアデザインを効果的に達成できません。キャリアの構築は高校から既に始まっているのです。

ただし、既に小中で英語教育を行なっているなどで、最初の一年ほどで現地生の英語に追い付き、平均以上の成績をとる自信があるのであれば (当然ながら、大学進学を考えるとさらに上位の成績であることが望ましい)、カナダへの高校留学に意義を見出せるのではないかと考えます。

経済的な余裕が無くなる可能性がある

生涯年収の最大化を目指したキャリアデザインを達成するためには、高校教育よりも大学教育、それらよりも就労先の国・業界・職種を有意義に選択できる方が優先順位が高いです。

そのために限りある資金を効率良く投入する必要があります。給付型の奨学金であればよいですが、教育ローンなど経済的な負担が増すものを無理して高校教育の時点で手を出していてはその先が続きません。留学生向けの北米の大学費用は高止まりしています。

もし経済的な余裕が無い状態なのであれば、特に就労先に直結する大学留学の方にリソースを割くことが合理的です。無理に高校留学をする利点は掛かるコストに対してそこまで高くは無いと考えます。

やるべきことは3つ

生涯年収の最大化を目指したキャリアデザインを効率的・効果的に達成するための準備は、高校 (場合によっては中学) から始めることが重要とは考えていますが、その準備のために必ずしも現地校へ通うこととは限らないとも思っています。

もしいくつかの理由から、カナダへの高校留学にまだ意義や効果が無いと判断した場合、今の時点で何をすべきなのか?やるべきことは3つあります。

1. 高校の成績の向上

北米の大学を目指す場合、国に関係なく高校での成績 (過去3年間ほどの成績) が重要視されることが多いです。大学は名前やランキングだけではなく、就労先の国・業界・職種を検討しそこに繋がりやすいところを選ぶべきですが、その選択の幅を広くするためにも高いGPA・評定平均を維持することが必須になります。

2. 英語力の向上

日本の英語教育も悪くはないと思うので高校の英語の成績を上げることももちろんですが、ただ単に英語が出来るという状態ではなく、具体的なこととしてそれを表すために、北米の留学生として使えるIELTSやTOEFLなどで志望大学の英語力要件に達する点数を取って置くことが重要です。

3. ロジカル・クリティカルシンキングの理解

基本的に北米の高校や大学などでレポートを提出する際にはオピニオンエッセイのような、正解を求める内容よりも自らがどう思うのかを論理的に書き、そこに客観的な視点も組み込む質の高いエッセイを書けるライティング能力が求められます。このような、人を説得するスキルは就労後にも極めて役に立つので基本動作として身に付けておくことが肝要です。

まだ能力不足で留学して英語の他にも生活のストレスを抱え、有効な就労先がその先に期待できる大学に進学するのはおそらく努力だけでは難しいことです。そのような努力が出来るのであれば、日本の高校時代に上記3点をクリアすることも十分可能でしょう。

結論としては、何かしらの理由が無い限りカナダへの高校留学はお薦め出来ませんし、そこに意義や効果のある方は大分限られると考えています。先ずは、生涯年収の最大化を目指したキャリアデザインを効率的・効果的に達成するために、今何をすべきなのかを逆算して自分なりにより深く考えることを強く推奨します。